社内の内部通報が機能しない会社に未来はないかもしれない
こんにちは、オリンパスでまたも内部通報者が不利益を被る問題が起きたようです。私が勤務する会社にも形式上は内部通報の仕組みがありますが、実際には機能していません。これは隠蔽体質の会社であるということの裏返しになります。
オリンパスでの問題
中国現地法人で不明朗な支出があったと追及した幹部が異動した人事を巡り、本社法務部勤務の社員(弁護士)が、公益通報者保護法違反の疑いを指摘するメールを社内に送り、メール使用を禁じられた。
記事をそのまま引用しましたが、内部通報者が不利益を被ったことを受け、社内弁護士の方がそれについてメールで指摘したところ、メールの使用を禁じられたということですね。
これは
オリンパスという会社の隠蔽体質がいかに根深いものかを物語っています
何故ならオリンパスは過去にも隠蔽体質が招いた巨額の粉飾事件を起こしています。
オリンパスの巨額粉飾事件
オリンパス社は2011年に1000億を超える損失を隠す為に1990年代から歴代の経営陣が飛ばしや不明朗な買収を繰り返し、損失隠しを何十年も続けていたことが当時の社長マイケル・ウッドフォード氏の告発によって明らかになりました。またこの告発によってウッドフォード氏が解任されるという異常事態となりました。
隠蔽体質が変えられないオリンパス
2011年に起きた問題の本質が2017年になっても変わらないこの会社は当面体質が変わらないでしょう。これは
オリンパスという会社はガバナンスがきいていない会社
ということですから、投資対象としても厳しい会社ですね。技術が素晴らしいだけに、現場の社員の方が可哀想です。
隠蔽体質によって廃業した会社
これは山一証券が代表格です。自主廃業を発表した記者会見では
当時の野澤社長が「社員は悪くありません」と言った言葉は今でも語り継がれています。
直近の企業による不正行為
ほんの一例ですが、これらの企業の記者会見で「社員は悪くない、悪いのは自分達です」と言った経営者はいますか?
私は不正が出てしまったこと自体を非難するつもりはありませんが、その後の対応がすっきりしない会社へは絶対に投資しません。
また未上場企業だと「着物レンタルのはれのひ」も本質的には隠蔽体質によって多くの方に迷惑をかけ倒産しました。
隠蔽体質の会社に未来はあるのか
これは規模の大小によって存続はあり得るので、視点を変えて会社を愛する人が残るかという視点でいうと未来は無いでしょう。
隠蔽体質の会社というのは社員同士で足の引っ張り合いをしていたり、評価が正当でないので、不満が蓄積されていきます。酷い場合は社員が一気に辞めていき、一部の業務がストップすることもあります
いずれにしてもやはり会社というのは経営トップの人格・決断力・潔さが舵取りに大きく影響するのだなと改めて感じました。
SNSによって暴かれる不正
SNSは使い方次第なところもありますが、最近の例でいくと東レの不正はネット掲示板に書かれたことで一般に知られることになりました。東レの会見では
「内々に処理するつもりだったが、ネット掲示板の書き込みがあったので公表することに」
このように仰っています。これはネットで書込みがなければ公表するつもりはなかったということです。社員を大事にしない会社は今後、ネットやSNSの書込みで不正や悪事が今まで以上にばらまかれる可能性が高いです。
成長する企業はオープンマインド
最近、元山一証券の永野さんという方の本を読みました。この永野さんの本の中でオープン・ソサエティという言葉が出てきます。山一証券が廃業になった原因として、このマインドが足らなかったと著書に記されています。
日本人は先進国の中でも会社を嫌っている割合が高いという結果が出ています
会社のことが嫌いな人が多くて会社が成長するはずはありません。島国根性を改め、オープンマインドで会社が好きになる人が増えればその企業は成長していくでしょう。